朝日新聞が3月16日に開始したYouTubeに開設した専門チャンネル「Channel ASAHI」。国内の全国紙としては初めての取り組みでびっくりした方も多いのではないでしょうか。
びっくりした方の大半は「産経新聞なら分かるけどなぜ朝日が?」といった感じでしょう。事実、産経新聞はiPhoneやBlackBerry対応アプリを他に先んじて開発。ユーザーのブログなども表示するCGM型ニュースサイト「iza!」も、全国紙新聞社とは思えない取り組みの早さでした。
一方の朝日新聞社は日本経済新聞社と読売新聞社と手を組み、各紙のニュースや社説を読み比べられる「あらたにす」を2008年1月31日に開始。広告サイドでは「オールドメディアの仁義なき戦い始まる」で触れたようにロイター・ジャパンやほかの出版社と手を結ぶなど、ある意味、新聞や雑誌といった既存メディアを中心に手を組んできました。
それだけに、朝日新聞社のYouTubeでパートナーチャンネルを開設するというのは実にインパクトがある出来事です。ただ、ネット上の書き込みを見ると、総じて批判的なコメントが多い様子。「ネットの世界にいまさら来るな」というコメントが多く見受けられます。もともとネット上には朝日新聞を嫌う人たちが多くいます。ある意味、仕方のないことだと言えるでしょう。
ただ、このチャレンジ、好意的に受け取ることはできないでしょうか。理由は果敢に取り組んだ人たちが決して新聞社のメインストリームにいる人たちではないからです。そして社内の敵の目をかいくぐりながら、一生懸命チャレンジしているからです。
彼らは今回の取り組みで社内から「勝手なことをやるな」と非難され、社外からも「ネットにすり寄ってくるな」と非難されています。新聞社を含む既存メディアを毛嫌いする人たちと新聞社の重鎮たちが論調こそ異なれど、一緒になって新しいチャレンジを批判している構図になっています。インターネットの力をきちんと理解し、道を一生懸命探している人たちは新聞社において決してメインストリームになることはありません。むしろ変人扱いを受け、迫害を受ける立場にあります。それでも、飛ばされるのを覚悟しながら、懸命に模索を続けています。ネット上で交わされる声に耳を傾け続けています。
インターネットの良さは、さまざまな論調が同居できるところです。一つの事実に対して、偏ることなく、権威が決めることなく、意見が交わされるところがこれまでのメディアになかった最大の良さだと思っています。スピードでも意見の多様性でも、インターネットと同等に戦える既存メディアはありません。だからこそ、テレビや新聞、雑誌といった権威によって重み付けする既存メディアの不要論が生まれている気がします。
これから既存メディアからこうした意外とも思える取り組みが一層増えてくるでしょう。こうした取り組みは決して、「権威」側にいる人たちではなく、ある意味、社内で「権威」に反発する人たちから生まれてきます。果敢にチャレンジし、白い目で見られている人たちと話す機会を持つと、毎回思います。既存メディアは内部で葛藤し、細胞分裂の過程にあると。
メディアは一枚岩ではありません。権威が権威で有り続けることを防ぎたいと思う人、世の中の仕組みを変えたいと思っている人こそ、こうしたメインストリームから外れた人たちの取り組みを真っ正面から冷静に受け止めてあげてほしいと思っています。






[...] ただ、朝日新聞社は朝日新聞の果敢なる挑戦も社内外に敵でも触れたように、急速にネット事業を進めるがゆえの社内の軋轢も生まれているようです。 [...]