メールアドレスの@以降の部分をドメインと呼びます。このドメインはいまでこそフリーメールの利用が広がり、gmail.com、hotmail.comといったドメインが増えましたが、一昔前はこのプロバイダーを使っているという一つの意思表示の側面があったように思えます。
振り返り過ぎですが、例えばパソコン通信全盛の時代、一部のビジネスパーソンの間でニフティサーブのIDを名刺に刷ることが流行しました。持ってますよ!という意思表示の意味もあったと思いますが、それを表明すること自体が一つのステータスを意味していたという人もいます。
また、プロバイダー料金が今みたいに安くない1996~2000年ころ、ドメインが「iij4u」だと「月額5000円近くもプロバイダーに払える人」という印象がありました。当時はダイヤルアップ接続が主流でしたから、安いプロバイダーだとアクセスポイントに電話をしても話中であることが頻発。品質が高く、たくさんのアクセスポイントを用意しているプロバイダーは総じて高かった覚えがあります。それゆえに、品質の高い「iij4u」というドメインを見ると、一種あこがれを覚えていました(私だけ?)。
現在、ドメインにブランド力を感じる人は当時と比べて大幅に減ったと思います。いや、もっと言えば、最近の人たちは「ドメインにブランド?別に使えればいいでしょ」という人たちが多いのではないでしょうか。いまだにドメインのブランド力に引きずられている私は、このブログを開始するときに独自ドメインを取得することが必須条件でした。自分だけのもの、自分が愛着を持つものとして、無味乾燥なアルファベットの文字列に変なこだわりを持っているわけです。古い、とても古い感覚だと思います。
ずっとドメインのブランド力は復権しないかなと考えていましたが、少しずつ、無味乾燥なアルファベットにブランド力を感じさせよう、ブランド力を持たせようという動きがケータイを中心に出てきています。
もともと強力なブランド力を持つディズニーがソフトバンクモバイルを使ったMVNOで開始したディズニーケータイ。「@disney.ne.jp」というドメインのメールアドレスを持てますが、これは当時、ファンにとっては相当インパクトが大きかった模様です。
また、1台600万円、月額料金5万2500円という、ノキア傘下の高級ケータイ「Vertu(ヴァーチュ)」が注目を集めていますが、日本事業プレジデントは以下のように語っています。
VERTU Clubメールは、VERTU Clubに入会すると、“○○○@vertuclub.ne.jp”というドメインが使えるようになるというものです。これにより、メールを受け取った相手が「このアドレスはVERTU Clubのメンバーだ」と判断できるようになります。
出典:「1台600万円、月額5万2500円–高級携帯電話Vertuは何が『すごい』のか」
つまり、ドメインを見ることでこの人は“あの”Virtuケータイを持っているのか!ということが相手に伝わるわけです。相当高いケータイですから、それだけステータスのあるドメインということになります。
ケータイは個人が常に持ち歩くもの。それだけに愛着が強くなりますし、ドメインは相手に自分の嗜好性、ステータスといったものを最も端的に伝えるものです。MVNOが広がれば、ドメインのブランド力がまた復権する日が来るのでしょうか。






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