先日、正式に発表となった朝日新聞によるCNETの買収。正確には朝日新聞がCNET、ZDNetを運営するシーネットネットワークスジャパンを買収。米CBSインタラクティブと業務提携し、日本におけるCNET、ZDNetなどのブランドを引き続き使用するというもの。海外企業のブランチを買収した企業が本社とブランド使用権で提携するという構図です。
今後、シーネットネットワークスジャパンは朝日インタラクティブに社名を変更する模様。社名からはCNETが消えてしまいますが、それは米国も同じこと。朝日新聞+米CBSインタラクティブで朝日インタラクティブ。米CBSによる資本はまったくありませんが、折衷案のような社名です。各社報道を見ている限り、特に現行のCNETの人員、コンテンツともに変更ないとのこと。将来的には分かりませんが、とりあえず朝日新聞が突然、CNETの大改革を始めるわけでもなさそうです。
ただ、問題は現行のシーネットネットワークスの代表取締役社長。現在の神野恵美氏は米国側から来ているはずですので、社長任期は残すところあと2カ月。さすがに朝日インタラクティブ社長には朝日新聞から降りてくることになるでしょう。ここ最近はTwitter活用なども好評な朝日新聞、こうした先進的な取り組みにネット上でも好意的な意見が散見されますので、ネット事情に明るい新社長を期待したいところです。
さて新生、朝日インタラクティブに待ち受ける課題は何でしょうか。
まず、CNETの収益改善をどう図るか。シーネットネットワークスジャパンは昨年はおそらく赤字。この経営状況をいかに早期に改善できるかは朝日新聞の手腕にかかっています。広告出稿が激減しているIT企業分野ですから、簡単ではありません。asahi.comという「面」の強さ、CNETという「点」の強さをうまく組み合わせた広告パッケージなどをメニューに並べていくのでしょうか。いずれにせよ、IT情報においてCNETの閲覧者はイノベーターもしくはアーリーアダプター、asahi.comの閲覧者はマジョリティ。こうした閲覧者の属性をうまく組み合わせたストーリーを広告主に提案していくことが鍵を握りそうです。
そして、次に人材流出です。朝日新聞、CNET買収か?でも触れた通り、朝日新聞が期待しているCNETのネット営業部隊もうわさでは一桁台。もともと営業職は流動性の高い職種です。今後2カ月間でさらに辞めていく可能性もありますので、朝日新聞としては早期に手を打つ必要があるでしょう。ただ、これに関しては朝日新聞がどれだけ本気で現行のシーネットネットワークスの社員を欲しがっているかにもかかってきます。現在約50人いるとされるシーネットネットワークスジャパンですが、普通に考えてこの不況下、正確には+メディア不況下において朝日新聞は本社社員ですら減らしたい状況でしょう。そんな状況で一気に50人抱え込むのは結構大変なことだと思います。
CNETを大きく変えるつもりがないと主張する朝日新聞ですが、変えていく必要があるのも事実。CNETは韓国で事実上の撤退を余儀なくされた経験もあります。変えるべきところは変えて、変えてはいけないところは変えずに残す。CNETはまぎれもなくネット上では強いブランドですから、このブランドのマネタイズにはぜひとも成功してほしいと思っています。






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