ネットPR代理店のニューズ・ツー・ユー(News2U)がブロガーネットワークを運営するアジャイル・メディアネットワーク(AMN)と提携し、ブロガーを対象にしたニュースリリース配信を開始するとのこと。ペイパーポスト型のクチコミマーケティングを展開している企業によくあるサービスですが、ことAMNとなると話は別です。
同サービスは企業にとってはメディアに加えて新たな情報配信のルートを確保でき、AMNのサービスを利用しているブロガーにとってはウォッチしている企業の一次情報を手に入れられる、というのが相互のメリットのよう。
ただ、こうした情報流通の仕組みがブログの世界で確立されていくことを個人的にはよく思っていません。ブロガーの中には記者クラブ廃止論を強く訴える人がいます。私もその一人です。限られた情報リソースにアクセスできる特権を持ち、さもそれが自らの実力のように振る舞う記者クラブに詰める記者たち。記者クラブに加盟していないメディアは幹事会社の許可を得る必要があり、場合によってはハエを追い払うように追い出されることもあります。まったくフラットな状況において、どのメディアが力があるのか、いや正確には誰に力があるのかを競えばいい、そう思っています。
ただ、アルファブロガーと呼ばれる方々をはじめ、ブロガーの世界でもこうした情報の格差社会が生まれ始めているのではないかということを危惧しています。例えば、アジャイル・メディアネットワークが設けるパートナーブログの選考基準の一部を見てみましょう。
・プロフィール、もしくはそれに準ずる内容が公開されていること
・ブログの運営者が特定できる(責任の所在が明らかである)こと
・問い合わせ先が明記されていること
・今後、月間平均で5万ページビュー以上の閲覧が見込めること
上記のような項目があります。ブロガーネットワークの質を担保するという意味では重要な項目です。ただ、一方でNews2Uとの提携などを見ると記者クラブのような閉鎖的なにおいがしてきます。というのも、記者クラブで他メディアを追い出す際に「君たちのなかに殺人鬼がいるかもしれない。それをどうやってきみたちは否定できるんだ?」というセリフを吐かれたことが実際にあるからです。
一部の影響力のあるブロガーを囲み、企業との接点を創り出し、一次ソースに与えられる特権を与える。これによってブログ界が盛り上がるとは到底思えないのです(ブログ界という言葉も一部のブロガーの集まりを指しているような気がして閉鎖的なイメージがありますが)。
せっかく民主党が大勝し、記者クラブ開放の流れが生まれているにもかかわらず、最も記者クラブ開放を望んでいたはずのブロガーの世界が旧社会悪と同じ構造に陥っていくのでしょうか。
News2uが特定のブロガーネットワークと組まず、登録をしたすべてのブロガーに対して平等にニュースリリースを配信すれば話は別ですが。実際にはサービスの詳細を見ていませんので、明らかになる際には注意深く見ておきたいと思います。






[...] This post was mentioned on Twitter by Hiroyuki Fujisiro and Hiroyuki Fujisiro. Hiroyuki Fujisiro said: News2u×AMN、何となく感じる記者クラブと同じにおいhttp://redpen.jp/2009/09/08_14735.php [...]
はじめまして。
2月のGoogleとcyberbuzzを舞台にしたPPP事件のエントリ以降拝読しております。
関連と思われる記事をやっと発見しました。
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20400140,00.htm
リリース先は「ブログクラブ」と呼ばれる場所ですが、これはブログを所有していれば誰でも登録が出来ますので、登録が必要だという意味では閉じてはいますが、パートナーブロガー対象ではないので閉じているとも言い難いように思いました。
但しこのコメントを書いている時点で少なくともAMN側からのプレスリリースはウェブサイト上に掲出されておりません(公式アナウンスとしてAMNのウェブサイト上にない、という意味です)
9/18に『ニュースリリースとブログ』という勉強会を有償にて開催するそうですが( http://agilemedia.jp/blog/2009/09/amn_49.html )「ブログクラブ」に参加している全ての利用者が無償かつ、どんなタイミングでも情報を入手出来る状態に保つのがAMNの責務であるように思えますので、有償且つウェブ上ではない場所で勉強会が開催される事に不適切なものを感じざるをえないのも事実です。
> ululunさん
コメントありがとうございます!
記者クラブの問題をネットメディアVS既存メディアという形式でとらえると事の本質を誤ると思って投稿したエントリーです。情報に対する接点を平等に保つこと、もしくは保つ努力をし続けること。AMNにはそういう姿勢を期待しています。もちろんビジネスを展開する上で囲い込みが必要でしょう。ただ、情報に対しての接点を絞り、影響力を保持することが前面に出てしまうと、既存メディアと記者クラブの関係となんら変わらない構図になってしまいます。何かしらの団体に「入れてもらう」「入れてもらえない」という発想はネット上での記者クラブの再現になりかねないということを少しでも分かってもらえればと思っています。技術は進化しています。ululunさんのおっしゃるとおり、ウェブ上で勉強会の開催、接点が開かれていていいですよね。AMNに期待しましょう!