アドネットワーク

 アドネットワークとは複数のWebサイトの広告枠を束ね、まとめて広告を配信するシステムのことを指します。広範囲な分野でメディアを束ねるアドネットワークを水平型(horizontal)アドネットワーク、特定の分野に特化してメディアを束ねるアドネットワークを垂直型(vertical)アドネットワークと呼びます。

 アドネットワークの機能は大きく二つあります。まず一つ目は広告の営業および配信を効率よく行う機能。アドネットワークで配信する広告はアドネットワーク専用のアドサーバーから配信されます。媒体側はアドネットワークから配信される広告を表示するために、ブログパーツで張り付けるHTMLタグと同じような、「アドタグ」と呼ばれるタグを張り付けます。広告販売窓口が絞られ、広告主にとってもいくつもの媒体に対して広告を出稿する手間が省けます。また同一のアドネットワークに属する媒体の広告枠はサイズや仕様も同一にそろえられているため、複数のクリエーティブを用意する手間も省けます。

 もう一つの機能は行動履歴の取得です。アドネットワークには様々な広告メニューが用意されているケースがほとんどです。主なものに行動ターゲティング広告、エリアターゲティング広告、属性ターゲティング広告、時間帯別配信広告、リターゲティングなどがあります。アドネットワークに加盟する媒体は、広告の配信枠の提供に加えて行動履歴取得ページの機能も果たします。どのようなWebページを見たのかという情報を識別するためのIDの役割を果たすCookie(クッキー)によって取得。閲覧履歴をもとに「この人はクルマに興味がある」「この人は最近旅行のページを頻繁に見ている」といった嗜好性を分析。あらかじめ用意している興味や関心別の広告メニューに分類し、そのメニューに出稿した広告主の広告を表示します。

 国内のパソコンサイト向け主要アドネットワークにはヤフーの「ヤフーアドネットワーク」、グーグルの「AdSense」、クライテリア・コミュニケーションズの「AJUST」、マイクロアドの「マイクロアドネットワーク」、楽天の「楽天ぴたっとアド」、アイメディアドライブの「impAct」、ソネット・メディア・ネットワークスの「Trust Click」、アドバタイジングドットコム・ジャパンの「Advertising.com Network」などがあります。

 一方で、ケータイ向けのアドネットワークもありますが、掲示板やコミュニティ、ブログといったCGM系の媒体を束ねたものが多く、群雄割拠の状態が続いています。NTTドコモが2008年にiモードIDと呼ぶ識別IDを開放したことから、携帯電話事業者3社でユーザー識別の仕組みが整備されました。今後はパソコンサイト向けアドネットワークと同様、様々なターゲティング広告が登場していく見通しです。